Surface morphology and growth mechanism of YBa2Cu3O7−y films by metalorganic chemical vapor deposition using liquid sources

Y. Yoshida, et.al., Appl. Phys. Lett., 69, 845, (1996)

この研究が行われた目的

MOCVD法における再現性の改善を目的として、液相材料の有機金属を用いてYBCO線材の作製を行った研究報告である。

検証しようとしている仮説

従来の固体状態の有機金属材料ではなく液体状態の有機金属材料を用いることによって再現性の向上が図られるのか、を検証している。また、液相材料を用いた場合の基板温度に対する表面形態の変化について議論を行っている。

仮説の検証方法

実験における酸素分圧は2.5 – 20 Torr、また成膜基板温度は600 – 850℃と変化させて再現性の確認及び表面形態の変化を確認した。

得られた結果

液体状態の有機金属材料を用いることで、組成不安定性の解消されて超伝導特性の再現性が確認された(20枚の薄膜で再現性が得られた)。

Fig. 1にMOCVD法を用いて作製された単結晶MgO基板上のYBCO薄膜の表面AFM像が図示されている。基板温度700℃では直径0.1 um程度の粒が表面を覆っていたが、基板温度800℃においては表面がファセット状態に変化した。これはLPE法と同様の表面形態である。

Fig. 2に基板温度800℃における高倍率表面AFM像が図示されている。ステップの高さが1.2 nm程度であり、これはYBCOのc軸長の1ユニットセルの高さと一致している。またテラス幅は70 – 120 nm程度でありこれはPVD法とLPE法の中間程度の長さである。

得られた結果に対する解釈

Fig. 3に基板温度を変化させた場合のテラス幅の変化が図示されている。表面形態が劇的に変化した800℃付近でテラス幅が急激に増加しており、この温度では液相成長したことが示唆されている。

Fig. 4に基板温度を変化させた場合の供給原料の比率が図示されている。750℃以上でYの供給量が増加している。これは薄膜表面上にBa – Cu系液相が形成されたことによるYの溶解量が増加したことが示唆されている。