Possibility of High Deposition Rate in SmBa2Cu3Oy Films Prepared Using the Vapor–Liquid–Solid Growth Mode

Y. Ichino, et.al, Jpn. J. Appl. Phys., 45, 758, (2006)

この研究が行われた目的

FoltynらによるとPLD方では成膜速度を増加させると不純物相が生成し、Jcが低下することが報告されている。そのため本研究では高成膜速度かつ高結晶配向性を達成するためにVLS成長法を用いたSmBCO薄膜の作製を行っている。

検証しようとしている仮説

VLS成長法を用いることで、超伝導特性の成膜速度依存性がどのように変化するか検証を行う。

仮説の検証方法

成膜速度を変化させるために、酸素分圧を0.1 – 0.4 Torr、ターゲット-成膜基板間距離を25 – 50 mm、レーザー繰り返し周波数を10 – 50 Hzとそれぞれ変化させて実験を行っている。

得られた結果・考察

Fig. 2にレーザー繰り返し周波数を変化させた場合の、成膜速度及びSmBCO(005)面の半値全幅が示されている。周波数を増加させると成膜速度が増加することが確認された。更に、成膜速度増加と共に半値全幅も改善された。成膜速度を増加させることにより、液相内のREBCOの濃度が増加・LPE法に近い状況となったために、半値全幅が改善されたと考えられている。

更なる成膜速度向上のために、ターゲット-成膜基板間距離を変化させた。Fig. 3にターゲット-基板間距離を変化させた時の成膜速度の変化が示されている。距離を短縮させたことにより成膜速度の向上が確認された。しかし距離が短くなるにつれてCu-poorかつBa-rich組成になることが報告されている。そのため組成変動を抑制させるためには、レーザー繰り返し周波数を変化させるのが得策であると考えられる。

Fig. 4に成膜速度を変化させた時のTc及びJcの変化が示されている。VLS成長法を用いることで、Tcは常に90 Kを超えている。これは成膜速度に関係なく高品質な薄膜が得られたことが示唆されている。一方Jcは成膜速度が増加するに従って向上することが確認された。この要因は未だ明らかになっていない。