Improvement of Superconductivity in High Critical Temperature LaBa2Cu3Oy Films Grown by Vapor-Liquid-Solid Mode

Y. Ichino, et.al., Jpn. J. Appl. Phys., 42, 758, (2003)

この研究が行われた目的・検証しようとしている仮説

VLS成長法はLPE法に似た結晶成長法なので、高品質な薄膜が作製されることが報告されている。本研究では従来のPLD法とVLS成長法を用いて結晶配向性と超伝導特性を比較する。

仮説の検証方法

基板温度を850℃、ターゲット-基板間距離を50 mm、レーザー繰り返し周波数を10 Hzに設定し実験を行っている。成膜基板はMgO, LSAT及びNGOの3種類用いた。

得られた結果・考察

Fig. 1にPLD法及びVLS成長法で作製されたLaBCO薄膜の(005)面の半値全幅が示されている。両方の作製法においてc軸配向膜が得られたが、PLD法と比較してVLS成長法の半値全幅が改善した。しかし、c軸長はVLS成長法が長い結果となり、PLD法と比較して酸素拡散が十分に行われなかったことが確認されている。これはVLS成長法で作製された薄膜が高結晶配向性を有していることが要因として考えられている。

Fig. 2にPLD法及びVLS成長法で作製されたR-T曲線が示されている。この薄膜はMgO基板上に作製された。PLD法と比較してVLS成長法で作製された薄膜のTcが向上されることが確認された。これはVLS成長法を用いることで固溶体の生成が抑制されたことが考えられる。固溶体が生成されるとRE-poor状態になるが、VLS成長法においてはBa – Cu – O液相があり元からRE-poor状態であるため、PLD法と比較し固溶体生成が抑制されたと考察している。

Fig. 3にNGO及びLSAT基板を用いて作製されたLaBCO薄膜のR-T曲線が示されている。Tcはそれぞれ85.7, 85.8 Kとなった。Tcが向上しなかった理由として酸素拡散が考えられる。LaBCOのバルクの結果ではバルク全体に酸素拡散が行われておらず高Tcが得られていない。つまり高Tcを得るためには酸素アニール条件を探索する必要がある。