Growth of NdBa2Cu3O7-y single crystal thin films by tri-phase epitaxy

K. S. Yun, et. al., Physica C, 378 – 381, 1202, (2002)

この研究が行われた目的

スパッタ法やPLD法は不平衡状態で結晶成長が行われるため、単結晶薄膜を得ることは難しい。これらの成長法ではエピタキシャル成長薄膜を得ることができるが、多結晶が導入されることが確認されている

そのため、熱平衡状態で結晶成長を行うためにLPE法が考案された。しかし、膜厚制御が困難である点や比較的高温が必要であることがデメリットとして挙げられている。このPLD法等の気相成長とLPE法のデメリットを改善するために、TPE法を考案し、この手法を用いてNdBCO薄膜の作製を行った。

検証しようとしている仮説

TPE法を用いてLPE法に匹敵する単結晶薄膜の作製が可能か検証を行っている。

仮説の検証方法

検証方法は以下論文同様なので割愛する。

得られた結果

Fig. 1 – Fig. 4の結果は以下論文と同様なので割愛する。

Fig. 5にTPE法で作製されたNdBCO薄膜の断面TEM像が図示されている。像内に粒界や欠陥は観察されず、単結晶に匹敵する薄膜が作製された。

Fig. 6にポストアニール後のNdBCO薄膜の表面SEM像が図示されている。その結果、[100]面と[010]面にクラックが導入されることが確認された。この現象はLPE法でも同様に確認されている。

Fig. 7に磁化率の温度依存性が図示されている。その結果Tc = 93.5 Kが確認された。Ndはイオン半径が近いBaと置換し固溶体が形成されやすいが、TPE法を用いることで置換が抑制されて高いTcを保つことが確認された。

Fig. 8にSTO及びBTO緩衝層を用いて作製されたNdBCO薄膜の抵抗温度依存性が図示されている。BTO緩衝層を用いることでTc = 94 Kが確認された。

得られた結果に対する解釈

Fig. 6におけるクラック導入は立方晶から斜方晶へ変化する場合、及びMgOとNdBCOの格子ミスフィットが大きい場合が要因として考えられる。緩衝層にBTOを用いることでMgOとの格子ミスフィットが低減されて、欠陥導入の抑制が確認された。

またTPE法を用いることで、NdとBaの置換が抑制されることが新たに判明した。これはXRDのc軸長を算出することによって確認された。